平成15年 決算特別委員会
2003年10月20日
学校図書経費の拡大と読み聞かせの取り組み
高橋佳代子委員
続きまして、学校図書室の経費についてお伺いをいたします。 決算参考書に実はこれは独自の科目がございません。これはどこに含まれているのか、まずお伺いをいたします。
馬場学務課長
学校図書購入経費につきましては、第一義的には学校配布予算の需用費の中に含まれてございます。また、豊島区独自の施策としては、図書充実費ということで需用費を個別にまた追加して配布してございます。
高橋佳代子委員
資料をいただいているのですけれども、皆さんがおわかりにならないかと思うので、小中学校の区の予算額、また決算額を言っていただけますでしょうか。
馬場学務課長
14年度の決算額でございますけれども、小学校25校当たり区の決算額が866万9千219円でございます。また、中学校11校当たり、総額で図書購入費ですが435万5千671円でございます。総額で小中合計で1千302万4千890円でございます。
高橋佳代子委員
いただいた資料によりますと、1学級当たりの国の基準ですね、これは上回っているのですけれども、1学校当たりになると本区におきましては学級数が1学校当たり非常に少ないので国の基準を下回ってしまうというのが現状であると思います。読書というのはやはり子供たちの読解力、また思考力とかを形成して学ぶ力の向上にも非常に有効な手段であると思いますし、また豊かな人間形成にも非常に不可欠なものであると私は考えております。学校の図書室の利用率が低くて、どの学校の先生方も非常に悩んでいらっしゃるという現状があるかと思いますけれども、この理由を子供たちに尋ねると、本が古いと、また読みたい本がないという返事が返ってきます。古いからすべていけないというわけではなくて、古い本の中にももちろん大切なものもたくさんございます。また教職員の方から、もう少し予算があったらなんていう声も実は聞こえてきます。この点どのようにお考えか、お尋ねいたします。
馬場学務課長
委員ご指摘のとおり、豊島区における学校規模が文科省の想定する規模、小学校18学級、中学校15学級という規模に達しておりません。小学校におきましても平均で10.4学級、また中学校におきましては8.5学級ということで約半分ぐらいの規模でございますので、1学級当たりの基準を大幅に超過して配布してございますけれども、実際には学校ごとに1館という学校図書館の整備費にはやや不十分かなと存じます。今後、そういった意味で学校図書館の実態をよく調べまして、またどういった図書が児童・生徒に読まれていくのかといったものを踏まえながら、そういった整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
高橋佳代子委員
また学校図書の司書についてなのですけれども、現在、先生方が兼務をされているという、こういう状況であると思うのですけれども、読書の大切さ、また読書の運動の推進に力を入れていくためには司書の例えば資格のあるボランティアを募って、学校の読書運動の推進のために力を注いでいただくとか、そういうような必要性を感じますけれども、その点はいかがお考えでしょうか。
吉村指導室長
現在、学校には司書教諭の有資格者が小学校は50名、中学校は16名で66名有資格者がおります。そうして各学校に小学校は50名配置されておりまして、中学校の方は16名配置されております。なお、この司書教諭たちは授業と司書としての仕事、両方をやりますので、場合によりましては異動等によってそこの司書教諭がいなくなるというようなこともありますが、できるだけ司書教諭がいなくなった場合には、そのかわりの教諭を異動で転入させるとか、そういう工夫をしながら欠員が出るのを防いでいきたいというふうに考えているところです。 それから、どうしてもやはり司書教諭がいないというところにつきましては、今後、何らかの工夫はしなければいけないというふうに考えてます。ただ、法的には12学級を超えるところは確実に置くようにというふうになっております。以上です。
二ノ宮教育長
お話のとおり子供たちの読書を進めていくという点からすると、学校図書館、豊島区の現状は十分かといいますと、そうではないというふうに思っております。子供たちの要求に応え得る図書をそろえていくということが一つあるかと思います。今、財政状況が大変厳しゅうございますので、その効率的な方法を私どもの方も何か考えなければいけないというふうに思っております。図書館の方と連携をしていくというのも一つあるかというふうに思っております。図書費をもっと増やすということも大事かとは思いますが、地域図書館との連携を深めていくというのも一つかというふうに思います。
それから、図書室をもっと子供たちに利用してもらう運営上の問題のご指摘をいただいているかというふうに思います。ご案内のとおり、学校図書室を専門的に子供たちの利用に供していくような専門職員は置いておりません。教員が子供たちを、図書室の図書委員さんと協力をしたり、あるいはPTAの保護者の協力を得ながら行っているというのが実情でございます。ご指摘のとおり、さらに学校図書室をもっと活発に利用してもらう方策ということで、もう少し制度的にボランティアを入れていくというようなことも今内部の方で検討をしているところでございます。
高橋佳代子委員
実は我が党が推進してまいりました子ども読書推進法が平成13年12月に成立いたしましたけれども、それから朝の読書運動は非常に全国的な広がりを見せて非常に大きな成果を上げていると、このように思っております。中には本区におきましてもボランティアの保護者の方が朝の読み聞かせをされているという、このような学校もあるというふうに承っております。実は私も3年ほど前から地元の児童館で毎月、読み聞かせの会を行っておりますけれども、こうした読み聞かせのボランティア活動、読み語りともいいますけれども、こういう活動はいまや本当に全国的な動きとなっているというふうに思っております。また私は時々、新たにこういったボランティア活動をされようとする方にご相談を受けます。どのような本を読んだらいいのですか、どういうふうに読んだらいいのですか、そんなふうなご相談を受けるのですけれども、そこでご提案なのですけれども、こうした未来の宝である子供たち、心豊かに育むために全国的に今活発になってきておりますこの読み聞かせのボランティアを育成する講座を本区として開いていってはいただけないかと、そのようなことを思っているのですけれども、いかがでしょうか。
佐藤中央図書館長
読み聞かせのボランティア講習という、ボランティアをそのまま育成するということではございませんけれども、区内千早図書館におきましてもう20年来、朗読講座というのを開催をしております。1回の参加者が40名ほどですけれども、こういった朗読講座の修了された方がいろいろなボランティア活動に参加されると、そういったような状況はあるかというふうに考えてございます。
高橋佳代子委員
朗読と微妙に違うのですが。朗読は朗読ですよね。ぜひまたご検討をいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。