平成15年 決算特別委員会
2003年10月20日
更なる教職員の資質向上
高橋佳代子委員
続きまして、先程も午前中からお話に数々上っておりました教職員の資質向上についてお伺いをしたいと思います。 成果表、173ページに回数と受講数が載っておりますけれども、研修の内容の細かい資料もいただいております。この研修内容につきまして、例えばどこまでが文科省のもので、どこまでが区独自のものなのか、お伺いをしたいと思います。
吉村指導室長
まず、文部科学省の直接に実施する研修につきましては、それほど多くはありません。かなり人数は絞られますので具体的には何名というふうには今資料がないところでございます。ただ、どうしても受けなければいけない研修につきましては、必修研修ということで初任者研修、初任者の養護教諭の研修、教員になってから2年次目の研修、それから今度新たに設けられました10年を経験した教員が11年次から研修を受けると、そういうシスシテムです。それから、職階に応じた研修ということで、校長、教頭、新任教頭、教務主任、新任教務主任、生活指導主任、研究主任、主幹研修、養護教諭研修、幼稚園教諭、心身障害学級担任等、日本語、転入してきた教諭、選択課題研修といいまして、それぞれ教科に理科、教育課題、道徳教育研修、不登校、LD等の研修、教育相談研修、体験活動研修、和書き研修、パソコン研修、心身障害教育研修、それから区の校内研修ということで、区が指定した教育研修校、各校内研究、教育研究奨励ということで、これは区独自ですが、名人先生ということで非常に優れた教師を推薦をして名人教員としていると。このほとんどは現在のところ、区のレベルでの研修ということで進めております。
高橋佳代子委員
ご丁寧な答弁をありがとうございます。すみません。先程も夏季研修ということでお話がありましたけれども、それでは、区内で勤務されている教職員の方、何らかの形で夏季にすべての方が研修を受けられていると理解してよろしいでしょうか。
吉村指導室長
そのようにご理解いただければありがたいです。
高橋佳代子委員
執行率を見ますと50%ということで、単純に見まして予算的にはまだ余裕があるというふうに解釈してしまうのですけれども、今後、豊島区としまして教職員の資質向上のために、何かまた独自の研修を行っていくという、そういうご予定はありますでしょうか。
吉村指導室長
執行率が50%という部分は、一つだけ現在のところで理由を申し上げますと、区内で現役の校長とか私ども指導主事とか、区内で研修会の講師をやったということを含めまして、講師料が大分節約できたといいますか、そういうようなこともございます。それから、今後、研修を進めていきたいというふうに考えますのは、先程ご質問がございました特別支援教育の関係を今後どういうふうに進めていくかということについては研修を進めてまいりたいと、そういうふうに存じております。
高橋佳代子委員
現在の教員免許の制度は終身有効でございます。教員の身分というのは非常に公務員の中でも特に手厚く保護をされているのですけれども、例は悪いですが、例えば子供に悪影響を与えるような問題のある教員でも、降格や配置転換また免職などの措置をとることは極めて難しいというのが実情であると思います。しかし、未来の日本を支える人材を育成する、その責任と使命の重さを考えたときは、本当に教員としての資質の適格性、これが定期的な検証が必要であるのではないかというふうに思っておりまして、免許の更新制、これは我が党が訴えておりますことでございますけれども、しかしながら、他の公務員、また国家資格とのバランスがとれないと、このようなことで多くの課題があるとして、文科省は非常に消極的でございます。だからこそ、今、教員の資質向上のために何が必要なのか。これが非常に今重要な課題であるというふうに考えます。この点につきまして、区としてどのようにお考えか、またこれからどのように取り組まれていくのか、再度お伺いをしたいと思います。
吉村指導室長
教員の資質の向上のために何が必要かということでお答えいたします。一つは、教員のやはり教育にかける使命感といいますか、これが私の仕事なのだという、そういう使命感ですね、それから教育に身を置く自分の立場の責任感といいますか、その二つがまず心がけとして非常に大切であろうと、そういうふうに存じるところです。それから、何が今度はそのために必要かといいますと、やはり教員個々を評価していくといいますか、現在行っております業績評価も含めまして、年間3回、まず最低限、面談等をしながら校長が直に教員をいろいろな場面で指導していく。それから授業を確実に見ていくということで、また指導していく。そういうことを含めまして現在、取り組んでいるところなのですが、東京都教育委員会は、全国で初めて業績評価ということを取り入れながら教員の資質向上に資しているところです。
二ノ宮教育長
もう古くから言い古された言葉かと思いますけれども、やはり教育は人なりということで、実際に子供たちと対応する教員が大変大切でございます。最近、私はこの数年でございますけれども、新規採用の教員たちに話をいたしますと、本当に意欲に燃えて、大変今の難関を突破をしてくるというところもあろうかと思いますけれども、大変意欲的な職員ばかりでございます。ただし、現在の教員がすべて十分に子供たちにとってふさわしい指導ができているかと、そうではないというふうに私どもも反省をしております。特に新しい教員がどうして時間がたつと子供たちに対する指導の意欲等が少しなえていったり、他の感じになってしまうのかということは大変、そこをどうやってこのまま最初のフレッシュな気持ちを引き続いて持たせることと、さらに指導の能力等を実践を積みながら広げていくかということが大変重要かというふうに思います。今、指導室長からも申し上げましたけれども、研修や本人の思いのままにというか、任せておくのではなく、組織的にこの人材を、教員を生涯にわたり育てていくというシステムを一方でとっていかなければならないかなというふうに思っております。その一つが、やはり研修でもあり、業績評価等のシステムもその一方で大変大事な制度かというふうに思っております。また、東京都は不適格な教員というものに対する大変厳しい対応をいたしております。不適切であるということであれば、教壇から外すというような制度も設けております。教員の免許の終身だというお話も出ましたけれども、不断に教員のあり方について見守っていかなければならないなというふうに思っております。教員自身が研修を続けること、組織的に研修を教育委員会や学校が、校長がリーダーシップ等を発揮しながら教員を育てていくこと、それから一方で行政評価等の人事のシステムをきちっとしていくこと、これらによって子供たちを育てていく教員の人材をきちっと確保をしていくということにつながるというふうに思っております。
高橋佳代子委員
力強いご答弁をいただきまして、一人の母親としても非常に期待をするところでございます。
別の角度から教員の資質といいますか、先程も実は本橋委員からもお話があったものでございますけれども、教員が抱えるストレスの問題でございますけれども、たび重なるストレスで体調を崩してしまう、そういう先生もおられるかと思いますが、本区におきましてこのような理由から病欠になってしまう、このような教員は何人ぐらいいらっしゃいますか。
吉村指導室長
ストレスによる病欠ということにつきましては、具体的に今何名というふうには数字を今用意しておりませんが、確かにストレスによって病気になられる先生はおります。
高橋佳代子委員
やはり先生方に心身ともに健康でいただくことが最高の教育、教育の基本であるというふうに思うのですけれども、健康の大切さという面でお話しますが、例えば私の子供は5年生であります。区内の小学校に在学をしております。これまで担任の先生が病欠等で数多く入れ替わりました。現在、担任は名目上、教頭先生の名前になっております。しかし、5年間で実は10人目の先生が教鞭をとっているという状態がございます。実は現在も1人の担任で教える教科も4人の先生が入れ替わってやっているという状況があります。親からしてみれば、一体だれが私の子供を責任を持って見ていてくれるのかと、このような不安の声も非常に大きくあるのですね。また先生が入れ替わるたびに子供たちにとっても物すごいストレスになりまして、それで体の調子を崩してしまう子供も現実に出ております。教員の方々も人間ですから、確かに病気になる、そのようなことは十分考えられると思いますけれども、やはり子供に与える影響は本当に、それこそ先程ありましたように教師が最大の教育環境ですから、その教師がかわることがどれだけ子供にとって与える影響が大きいものなのかという、それを母親として非常に重く感じるのですけれども、この点どのようにお考えかまずちょっとお聞かせいただければと思います。
吉村指導室長
5年間で10名という教員の交代ですが、これにつきましては本当に子供にも申しわけないなと思いますし、保護者の方にもご心配、不安をおかけしているということで大変私どもも残念に思っております。今後、ぜひ担任の交代が途中で幾度も繰り返すというようなことがないように、教員の健康の維持、それから学校の人材の配置、そういうことも検討してまいりたいと存じております。
高橋佳代子委員
やはり今も教育長からありましたけれども、本当に様々な角度から先生方をサポートしていただくといいますか、特に今、非常に複雑な問題が多いのでメンタルな部分でサポートする体制の強化を強く希望いたします。