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博多駅周辺の浸水被害軽減への取り組み:福岡市の先進事例

【福岡市の浸水対策を視察】
豊島区防災・震災対策調査特別委員会で、福岡市の浸水対策を視察。
特に博多駅は那珂川と御笠川に挟まれた地形で、これまで幾度も浸水被害が発生しております。
昭和5年から始まった下水道事業
ですが、下水管の劣化状況を踏まえ、計画的・効率的に更新されてこられたそうです。更に都市化により、森林や農地が減少したため雨水の貯留・浸透機能が低下し、大量の雨水が川に流入するようになった事も原因の1つであるとの事。
近年は排水機能を上回る局地的集中豪雨により、いわゆる都市型水害が博多駅周辺で発生し、平成11年6月29日には3,173棟の浸水被害が発生しています。
地球温暖化により、全国的に雨の降り方が変化し、50mmや80mmの雨が増加傾向にある事を踏まえ、福岡市は「雨水整備レインボープラン博多」を策定。これまで52.2mm対応から、10年確率降雨対応の59.1mmに整備水準を強化。1991年度以降複数回浸水し、かつ1991年6月29日の集中豪雨で概ね10棟以上浸水した59地区を重点地区に選定し、整備を進めてこられました。
まず、浸水エリアに直径3mの新たな雨水管線を整備して排水機能を強化。また、雨水管の雨水を河川に流すための雨水ポンプ場を整備されています。しかし、平成15年には、再び1,721棟の浸水被害が発生。これまでの59.1mm対応から79.5mm対応に整備水準をさらに引き上げ、新たに貯留施設と浸透施設を整備に取り組まれました。博多駅周辺には直径5mの貯留管と浸透型の側溝を整備。山王のグラウンドを掘り下げて水を貯める山王第1号雨水調整池とされ、最大13,000m3貯留する事ができるようになっています。また、地下に山王第2号雨水調整池15,000m3の貯留可能な調整池を整備されました。
これらの取り組みにより博多駅周辺では浸水被害が軽減され、2009年の豪雨では時間雨量116mmを観測しましたが、浸水被害は2009年では1棟と減少しました。
現在は「雨水整備レインボープラン天神」にも取り組まれ、公共施設においても雨水流出抑制施設導入を進められています。また、家屋の雨水貯留タンク設置助成や、排水設備分流化改造工事費助成も行われ、多様な手法で浸水対策が進められていました。
池袋駅周辺も排水機能が強化されておりますが、今は思いもよらない豪雨が発生します。鉄道事業者や民間企業、東京都等と連携し、災害に強い池袋を構築していきたいと痛感しました。
福岡市道路下水道局、市議会事務局の皆様、ご協力頂きまして誠にありがとうございました。

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