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H26予算 福祉衛生費 胃がんリスク・ピロリ菌、ABC血液検診

平成26年予算特別委員会 福祉・衛生費(2014- 3月 3日)

胃がんリスク・ピロリ菌、ABC血液検診

○高橋佳代子委員 また、このたび区議団は、これまで一般質問で取り上げてまいりました胃がんの原因となりますヘリコバクターピロリ菌の感染検査、また胃粘膜の萎縮程度とペプシノーゲン値を測定するABC検査の導入、また子宮頸がんの原因となるウイルス検査でございますHPV検査の導入を平成26年度の予算要望の重点項目として、昨年、区長に提出をさせていただきました。

 そうした中で、今回新規事業として、ピロリ菌検査、またABC検診、さらには23区初となるHPV検査の導入に踏み切られた、掲載されたということに対しまして、深く感謝を申し上げるとともに、評価をさせていただいているところでございます。

 これらの新規事業についてお伺いをしたいと思いますけれども、ピロリ菌検査については、水道水ではなくて、例えば井戸水等を小さいころ飲んで育った方に多いと伺ったことがございます。そう考えますと、中高年の方々を対象にされるのかなと思いきや、ピロリ菌の対象は20歳ということで、ABC検診40歳、これについて対象者を選定された理由についてまず伺います。

○佐野健康担当部長  来年度新規事業の胃がんのピロリ菌検査についてでございますけれども、今回対象を20歳といたしました理由でございます。おっしゃるように、ピロリ菌は上下水道が整備されていなかった、現在の50代以上の方々が非常にピロリ菌のいる割合が高いと言われております。現在こうしたピロリの検査を含めたABC検診を実施しているほかの区におきましても、40歳以上の方々を対象としている区も多い状況でございます。

そうした中で、今回うちの区が20歳をまず実施した理由でございますけれども、これは医師会の専門医の先生と相談した結論でございますけれども、まず40歳以上の方々のピロリ除菌をした場合と二十以下の方のピロリ除菌をした場合と効果が大きく違っているという状況ございます。やはりピロリ菌の除菌効果というのは、胃のきれいな若いうちに除菌したほうが、1回除菌すると再度かかる確率は非常に低くなるという状況がございまして、中高年層の方については、1回除菌しても、ピロリ菌が住み着くようなリスクがあるということが言われております。

そうしたことで、ちょうど二十以下ということですので、10代という考え方もございますが、成人の節目の年ということで、区としては二十のピロリ検診を普及させたいというねらいから、この年齢に設定をした次第でございます。

○高橋佳代子委員  二十の方々がなかなか意識が低いかなと。まだ胃がんに対して、そういったような思いもございますので、ぜひ啓発もしていただきたいなと思いますが、ピロリ菌検査につきましてはさまざまな方法があると伺っておりますが、今回区が導入する方法についてお伺いします。

○佐野健康担当部長  御指摘のように、いろいろな方法がございます。血液でやる方法ですとか、吐き出す呼気でやる方法とか、今回、これも医師会の先生方と検診を実施する医療機関の体制等も勘案して、血液で実施するということでございます。

○高橋佳代子委員  血液で実施ということでございます。また、ピロリ菌が例えば見つかったりとか、ABC検診でリスクが発見された場合の、その後の検査とか指導の流れについてちょっと御説明いただければと思います。

○佐野健康担当部長  二十の方にピロリ菌の検査を受けていただきまして、ピロリ菌がいるという結論になった場合は、精密検査を受けていただきたいということで、医師の紹介状をお渡しして、それで精密検査の実施医療機関に行っていただきます。そこで再度、ここでは胃の内視鏡による検査になりますけれども、そちらのほうで検査をして、ピロリ菌がいるということなりますと、大抵の場合は胃炎というような診断がつきますので、それで保険適用で除菌の治療をしていただくということになります。

○高橋佳代子委員  今、答弁漏れで、ABC検診についても、AとかBとかCとかDぐらいまで判断した場合のその先の流れについて伺います。

○佐野健康担当部長  大変失礼いたしました。ABC検診につきましては、ピロリ菌の感染があるかどうか、それから胃粘膜の萎縮があるかどうか、この2点の確認をする検査で、それによって胃がんのリスクを計測するものでございます。

それで、ABC検診、これは血液でありまして、それで4つのグループ、ピロリ菌がいる、さらに胃の粘膜も非常に萎縮している、荒れているというようなものが一番悪い状態。両方がない状態が一番いい状態という、ABCD群に分かれます。A群の何もない状況の方以外のBCD、ピロリ菌がいる、あるいは胃の粘膜が荒れているというような状況の方は、すべて精密検査に行っていただきまして、それで、そこで血液検査をして、治療が必要な方は治療に移っていただきますし、ちょっと検診を見て、今後受けていただいて状況を見るという経過観察になる方もいらっしゃいますが、その辺は医師の判断ということになります。

○高橋佳代子委員  これまでバリウムの検査もされてきたと思いますけれども、今後の胃がんの検査、胃がん検診の全体像はどのようになっていくのかちょっとお伺いできればと思います。

○佐野健康担当部長  従来、胃がんにつきましては、バリウムによる検査でがんを発見するという方法をとってございました。今回のピロリ菌とABC検査、これはがんを見つけるための検診ではございませんで、胃がんのリスクがどの程度あるかというのをはっきりさせる。それによって治療につなげていくですとか、ピロリ菌の場合は除菌することで将来リスクがぐっと下がりますので、そうした効果もございますけれども、そういった点で違いがございます。

ですので、私どもといたしましては、従来の胃がん検診については、40歳以上の方に従来どおり受けていただくことを推奨いたします。ただ、二十の方、それから今回ABCの対象にいたしました40歳の方、この2つの年齢の方については、ピロリ菌検査、ABC検診を受けていただいて、結果によってその後の必要な対応をしていただくと同時に、このリスク検診をすることの大きなメリットというのは、自分の胃の状態、リスクがわかることで、これはやはり検診をこれ以降受けていかなければいけないなという危機意識を持たせるといいますか、意識づけを図る効果があると思っておりますので、そうした形で豊島区民の方々の胃がんの減少を図っていくということでございます。

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